人はなぜ嫉妬してしまうのか——「あの人だけズルい」の正体を、一緒に考えてみる

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人生のぎもん

嫉妬したことがない、という人はたぶんいないと思います。

「なんであの人だけ評価されるんだろう」「どうしてあの人ばかり運がいいんだろう」——そんな感情が、ふとした瞬間に心の中にわき上がってきたこと、ありませんか。そのあと、「こんなこと考えてる自分って最低だな」と自己嫌悪に入ったりして。嫉妬って、感じるだけでも疲れるんですよね。

わたしも長いあいだ、嫉妬する自分が嫌いでした。「もっと大人になれ」「他人のことを気にするな」と、自分に言い聞かせながら、それでも消えない嫉妬心に振り回されてきた気がします。

今日は、そんな嫉妬という感情の正体を、一緒にゆっくり考えてみたいと思います。


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嫉妬って、恥ずかしいことなんだろうか

「あんな気持ち、持ってはいけない」と思ってきた

正直に言うと、かなり長いあいだ、わたしは自分の嫉妬心を「恥ずかしいもの」として扱ってきました。

同期が先に昇進したとき。友人が結婚の報告をしてきたとき。SNSでおいしそうな食事や楽しそな旅行の写真が流れてきたとき——「いいね!」と思いながらも、どこかモヤモヤする。「素直に喜べない自分って器が小さいな」と思いながら、その感情をなんとか見えないところに押し込もうとしていました。

でも今思うと、その「押し込む」という行為こそが、じわじわと自分を消耗させていたような気がします。🙁

嫉妬は悪感情なのか、それとも人間の本能なのか

そもそも嫉妬って、そんなに「悪い感情」なんでしょうか。

心理学的には、嫉妬は人間の根源的な感情のひとつとされています。赤ちゃんに弟や妹が生まれたときに見られる「赤ちゃん返り」も、実は親の愛情を取られてしまうことへの嫉妬が根っこにある、という話があります。つまり、嫉妬は生まれたばかりの頃からすでに、ちゃんと人間のなかにある感情なんです。

進化の観点からも、嫉妬には意味があったとされています。自分の大切なものを守る、失わないようにする——そのためのアラームとして、嫉妬という感情が発達してきた、という考え方です。「恥ずかしいもの」どころか、生存に必要な機能だったかもしれない。

だとすれば、嫉妬する自分を責め続けるのって、ちょっと違うんじゃないかな、と最近は思い始めています。


嫉妬はどこから生まれてくるのか

「失いたくない」という怖さが根っこにある

嫉妬のメカニズムを調べていくと、その根底には「恐れ」があると言われています。

恋人が他の人と仲よくしている場面を見て嫉妬するのは、「この人を失ってしまうかもしれない」という不安から来ている。職場で同僚が自分より評価されることへの嫉妬は、「自分の居場所が脅かされるかもしれない」という恐れと結びついている。

つまり嫉妬の正体は、「大切なものを失うことへの怖さ」 が姿を変えたもの、ともいえるんですよね。

だから、嫉妬したとき怒りや攻撃的な気持ちが生まれることもあるけれど、本当は怒りじゃなくて——その奥底には、静かな怖さがある。そう気づくと、嫉妬している自分への見方が少し変わりませんか。

なぜか、遠くの人よりも近くの人に嫉妬する

もうひとつ面白いのは、嫉妬の「対象」の法則です。

たとえば、わたしは大谷翔平選手に嫉妬したことはありません(笑)。でも、同じ職場の、自分と同期の人が評価されると、あのモヤモヤした感情がじわじわ湧いてくる。なんでだろうと考えてみると、「手が届かないくらい遠い存在」には嫉妬せず、「自分と同じ土俵にいる人」に嫉妬するんですよね。

マラソンが趣味の方が書いていた話がとても腑に落ちて——10代の陸上部員の記録を見ても何も感じないけれど、同世代の一般市民ランナーが自分より速く走っていると嫉妬する、と。これって「同じ条件のはずなのに差がある」という感覚が引き金なんだと思います。

近ければ近いほど、嫉妬は燃え上がりやすい。🔥


嫉妬には「条件」がある——なぜあの人には嫉妬して、この人にはしないのか

格差がありすぎると、嫉妬は生まれない

心理カウンセラーの方の言葉で、「嫉妬するには条件がある」という話があって、これがすごく興味深かったんです。

嫉妬は、自分が「格下」と見ている相手が、自分よりも優れたものを持っているときに起きる——という考え方です。「格上」と認めている相手の成功は、嫉妬ではなく憧れになる。でも、「同じくらいのはずなのに、なんで?」という感覚があるから、嫉妬になる。

これって、よく考えると複雑な話で。嫉妬する相手には、どこかで「自分のほうが上(あるいは同等)」だという認識が前提にある。その前提が崩れるから、苦しいんですよね。

同じ土俵にいると感じるから、燃え上がる

職場や学校で起きる嫉妬のほとんどは、この「同じ土俵」の感覚から来ていると思います。

同期だから。同じチームだから。似たような経歴だから。——だから、あの人だけ評価されるのが納得いかない。あの人だけがうまくいっているのが、なんとなくズルいように感じてしまう。

「あの人だけズルい」という言葉、一度は心の中でつぶやいたことがあるんじゃないかと思います。わたしはあります、正直。しかもそれを言えなくて、笑顔でおめでとうを言いながら、帰り道にひとりで落ち込む、みたいな経験が(笑)。


嫉妬は「自分の本音」を教えてくれるのかもしれない

嫉妬する相手は、自分が欲しいものを持っている

ここからは、少し見方を変えてみたいと思います。

カウンセリングの世界では、「自分の中にない要素は、他人の中にも見えない」という考え方があります。つまり、誰かに嫉妬するとき、その人が持っているものを「自分も欲しい」と思っているから嫉妬する、ということ。

自分にまったく関係ないものには、嫉妬しないんですよね。サッカーにまったく興味がない人は、メッシの活躍に嫉妬しない。でも「自分もそうなりたかった」「そういう生き方に憧れがある」という部分が触れられると、嫉妬という感情が生まれる。

だとすれば、嫉妬は「自分が本当に求めているものの地図」なのかもしれません。

「あの人みたいに自由に働きたい」「あの人みたいに人から必要とされたい」——嫉妬の向こう側に、自分の本音が隠れていることがある。🗺️

嫉妬が「気づき」に変わるとき

もちろん、嫉妬がそのまま「気づき」になるわけじゃないとも思っています。

嫉妬した後に「じゃあ自分はどうしたいんだろう」と考えてみると、意外と素直な欲求が出てくることがある。「もっと評価されたかった」「自分もそういう選択をしたかった」「そういう関係性が欲しかった」——その本音に気づくための入口として、嫉妬を使える場面があるんじゃないかな、と。

ただ、そこまで冷静に掘り下げられるのは、嫉妬の感情が少し落ち着いてからの話ですけどね。渦中にいるときは、なかなかそんな余裕はない(笑)。


嫉妬と上手につきあうために、今の自分が思うこと

嫉妬を押し込もうとすると、もっとしんどくなる

長年やってみてわかったのは、「嫉妬を感じないようにしよう」とすることの難しさです。

感じないようにしよう、押し込もう、こんな感情を持ってはいけない——とやればやるほど、嫉妬心はなぜか強くなる気がするんですよね。意識すればするほど、頭から離れない。

「白いクマのことを考えないようにしてください」と言われると、白いクマのことしか考えられなくなるみたいな(笑)。感情もそれに近いところがあって、無理に消そうとするとかえって居座り続ける。

「認める」だけで、少し楽になった

じゃあどうするか、というと——今のわたしがたどり着いたのは、「嫉妬している、と認める」だけです。直そうとしない、克服しようとしない。ただ「あ、今嫉妬してるな」とひとりで気づく。

それだけで、なんか少し楽になるんです。自己嫌悪に入る前に、「そうか、嫉妬してるんだね」と自分に言ってあげる感じ。完璧な解決策でも何でもないし、それで嫉妬が消えるわけでもないですけど、自分を責める時間が減った気がして。

嫉妬は感じてはいけない感情じゃない、と思えるようになっただけで、だいぶ変わりました。 😌


嫉妬してしまう自分を、どう見るか

嫉妬は「あなたが本気で何かを求めている証拠」かもしれない

嫉妬する、ということは、何かに本気だということでもあると思っています。

どうでもいいことには、嫉妬しないですから。誰かに嫉妬するということは、それだけ「自分もそうありたかった」「そこに価値があると思っている」という、自分の真剣な気持ちが根っこにある。

恥ずかしいことでも、弱いことでも、器が小さいことでも、たぶんないんじゃないかな、と。少なくとも、嫉妬できる自分は、まだ何かを求めているんだと思っています。

嫉妬を感じなくなったとき——それはたぶん、何もかも諦めてしまったときじゃないかな、なんてことも考えます。それはそれで、ちょっと怖い気がして。

あなたは、どんなときに嫉妬しますか?

嫉妬にもいろいろな形があります。

誰かの成功に対する嫉妬。幸せそうな姿への嫉妬。自分には手に入らなかったものへの嫉妬。あるいは、誰かが自分の大切な人と仲よくしているのを見たときの嫉妬——。

どれも、「自分にとって大切な何か」が触れられたときに生まれる感情です。

あなたは、どんなときに嫉妬を感じますか? その嫉妬の奥に、自分がどんな気持ちを抱えているか、少しだけ覗いてみるのも、面白いかもしれません。答えを出す必要はないし、解決しなくていい。ただ、ちょっとだけ自分に正直になってみる、そのくらいでいいんじゃないかな、と思っています。🌿


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次回は「人はなぜ羨ましいという気持ちが消えないのか」について書こうと思います。 嫉妬と羨ましさって、似てるようで少し違う感情で——そのへんをもう少し掘り下げてみたいな、と考えています。

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